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建礼門院右京大夫集 現代語訳

262 世の中の

二月十五日、涅槃会といって人が詣ったが、誘われて詣った。おこないうちして、思い続けたので、釈迦仏が入滅しなさったときのことを僧などが語るのを聞いても、何を聞いてもただ現世の無常が格別に思われて涙がとどめがたく思われるのも、これくらいのことはいつも聞いていたが、このとき聞いたのはいたくしみじみと思われて物悲しく、涙が止まらないのも、生きながらえることができない我が命なのだからだろうかと、それは、今の私にとって嘆かわしくは思われない。

世の中の常なきことのためしとて空がくれにし月にぞありける

世の中の無常なことの例として、釈迦如来は入滅したのです。

 


メモ

空がくれにし月にぞありける 月を釈迦にたとえた。


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