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建礼門院右京大夫集 現代語訳

255 秋過ぎて

外の方の鳴子の音も、寂しさを誘う心地がして、辺り一帯の木々や野辺の景色が、年の暮れなので、 みな枯れ野で、すっかり風に吹き散らされている。何の跡形もなく名残のない世の中の様子も、我が身の上に引き比べられて思うことが多い。

秋過ぎてなるこは風に残りけりなにのなごりも人の世ぞなき

秋が過ぎて、鳴子の音だけが風の中に残っているが、何の名残も人の世にはない。

 


メモ

 


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