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建礼門院右京大夫集 現代語訳
237 またさらに
また、あるところへ行った途中に、(平資盛の邸の)焼け失せた跡に、礎ばかりが残っていたが、草が深くて、秋の花が所々で咲きだして、露がこぼれ、虫の声々が乱れあって聞こえるのも悲しくて、行き過ぎる心地もしなかったので、しばらく車をとどめて見るが、いつを限りにするかと思われて、
またさらにうき故郷(ふるさと)をかへりみて心とゞむることもはかなし
今日はまた、さらに心つらくさせられるあの方の焼失した邸の跡を見て、心ひかれて立ち去りがたくなっているのも悲しいことです。
メモ