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建礼門院右京大夫集 現代語訳
211 あはれされば
その春、あまりにも恐ろしく聞こえたことに、親しく付き合っていた人々が亡くなったのが、数多くて、似ても似つかぬ変わり果てた姿で首渡しされるのは、なにかと心つらく、言いようもなく情けなく聞こえてきて、誰々など、人が言っていたことも比類なく悲しくて、
あはれさればこれはまことか猶もたゞ夢にやあらんとこそおぼゆれ
ああ、それではこれは本当なのか。それでもなお私にはただ夢であろうかと思われます。
メモ
首渡し 寿永3年2月7日、平家が一の谷の合戦に敗れ、13日、都大路に首渡しされた。