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建礼門院右京大夫集 現代語訳
207 なみ風の
恐ろしき武士どもが無数にくだる。何かと聞くと、どのようなことをいつ聞こうと、悲しく心つらく、泣く泣く寝た夢に、常に見たままの直衣すがたで、風のおびただしく吹く所に、たいそう物思わしげにうち眺めていると見えて、胸騒ぎがして、目覚めた心地は言いようがない。
なみ風のあらきさわぎに漂ひてさこそはやすき空なかるらめ
戦乱の荒れた騒ぎのなかにさまよって、あのような安らかな時はないのでしょう。
メモ
恐ろしき武士ども 源氏の武士。