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建礼門院右京大夫集 現代語訳
167 - 168 とはれぬは/あはれにも
西山という所に住んでいた頃、身の暇なさにかこつけてか、久しく音沙汰がない。枯れている花があったので、ふと、
とはれぬはいくかぞとだに数へぬに花の姿ぞしらせがほなる
訪ねてくれないのはもう何日だとは数えないが、枯れた花の姿が教えているような様子です。
この花は、10日余りほど前に訪ねてきたときに、手折って持っていた枝を、簾に挿して出ていったのだ。
あはれにもつらくも物ぞおもはるゝのがれざりける世々の契に
逃れられない前世からの契りに、感慨深くも辛くも思われます。
メモ