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建礼門院右京大夫集 現代語訳
162 ながれてと
宮仕えも止めてしまい、その後もときどき訪れた人(藤原隆信)をも頼みにはしないが、かえって面白くないことばかりなので、これまでとまるで変わってしまったような心地がして、心をみようと他へ参るが、反故どもを整理したが、どんな世までも絶えるまいと何度もいったあの人の和歌の端に書き付けた、
ながれてとたのめしことも水茎のかきたえぬべき跡のかなしさ
永く変わらずにいようと私を頼みにさせていましたが、文のやり取りも絶えてしまいそうで、絶えた後のことを思うと悲しいです。
メモ
『新続古今和歌集』雑下に所収。