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建礼門院右京大夫集 現代語訳

152 ありけりと

私のことを思い出して迎えの車をよこしたので、このまま行かないでおこうかと何度も思ったが、心弱くて行ったところ、車から降りるのを見て、「世にありけるは(無事であったことだ)」と申したのを聞いて、心ちにふと思われた、

ありけりといふに辛さのまさるかななきになしつゝすぐしつるほど

「無事であったことだ」というあの人の言葉を聞くと、我が身をないことにして過ごしてきたことがいっそう辛くなります。

 


メモ

 


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