※本ページは広告による収益を得ています。
建礼門院右京大夫集 現代語訳
148 - 149 もろともに/思ひいでゝ
同じ頃、夜床で二人にしてほととぎすの鳴き声を聞いたが、ひとりで寝覚めたときもまた変わらぬ声で鳴いていた。その翌朝、文があったついでに、
もろともにこと語らひし曙にかはらざりつるほとゝぎすかな
いっしょに語らったあの曙と変わらない声でほととぎすが鳴いていたことです。
返しに、「私の方も思い出していました」など、心にもなさそうなことを書いて、
思ひいでゝねざめしとこのあはれをもゆきて告げゝる時鳥(ほととぎす)かな
あの夜のことを思い出して眠られずにいる夜床のしみじみとした私の思いを、ほととぎすがあなたのもとに行って告げてくれたのだ。
メモ