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建礼門院右京大夫集 現代語訳
132 - 134 ちらすなよ/恋路には/いくよしも
(平資盛との関係が始まった)初めの頃は、普通にあることとも思われず、たいそう恥ずかしくて、朝夕見交わす傍の人々も、まして男たちも、知られたらどうしようとばかり悲しく思われたので、手習いにされたのは、
ちらすなよちらさばいかゞつらからんしのぶの山にしのぶ言の葉
人目にはふれさせないでください。忍びに忍んでの手紙が人目にふれたりしたらどんなにつらいことでしょう。
恋路にはまよひいらじと思ひしをうき契(ちぎり)にもひかれぬるかな
恋の路には迷いこむまいと思っていたが、つらい前世からの約束にとらえられてしまったようです。
いくよしもあらじと思ふかたにのみ慰むれどもなほぞかなしき
私の命もいくばくもあるまいと思うことでのみ慰めていますが、それでもやはり悲しいことです。
メモ