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建礼門院右京大夫集 現代語訳

126 聞くからに

隣で「庭火」の笛の音がしても、年々、内侍所の御神楽で、維盛の少将、泰通(やすみち)の中将などが奏した趣深かった音どもがまず思い出される。

聞くからにいとゞ昔のこひしくて庭火の笛のねにぞなくなる

隣の庭火の笛の音を聞くにつけて、一層昔が恋しくて声を上げて泣いてしまった。

 


メモ

庭火 神楽の曲名

維盛 平維盛(たいらのこれもり)。平重盛の嫡男、平清盛の孫。

泰通 藤原泰通。為通の子。維盛とともに神楽の名手。


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