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建礼門院右京大夫集 現代語訳
093 なほざりに
「みくしげどの」が里に久しくいらっしゃった頃、「弁の殿」がその里へ参って帰ってまいられた。「どうしてこのついでに手紙をよこさないのですか」とおっしゃったので、
なほざりに思ひもせぬ言の葉を風のたよりにいかゞ散らさん
なおざりには思っておりませんので、軽々しい便りに私の言葉を託することがどうしてできましょうか。
メモ
みくしげどの みくしげどの(装束を調進する所)を受け持つ上臈女房。
弁の殿 右京大夫の同僚の女房。