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建礼門院右京大夫集 現代語訳
091 - 092 きみに思ひ/おぼつかな
忠度(ただのり)の朝臣が、にし山の紅葉を見たといって、並々でない枝をよこして、それに結びつけてあった歌。
きみに思ひ深きみ山のもみぢをば嵐のひまに折りぞしらする
深山の紅葉の枝を嵐の合間に手折って、この秋の時節と、あなたを思う心の深さをお知らせします。
返し
おぼつかな折りこそしらね誰に思ひ深き山のもみぢなるらむ
時節の方は知りませんが、深山の紅葉に托して、誰に深い思いを伝えるのでしょう。おぼつかないことです。
メモ
折り 「時節」と「紅葉を折る」を懸けている。