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建礼門院右京大夫集 現代語訳

089 - 090 君ゆゑは/われゆゑに

三位中将維盛の奥方のもとより、紅葉につけて、青紅葉の薄様に、

君ゆゑはをしき軒端(のきば)のもみぢをもをかしからでこそかく手折りつれ

あなたのためなら、手折るのも惜しい軒端の紅葉も惜しくはなく、このように手折りました。

返し  紅の薄様に

われゆゑにきみが折りける紅葉こそなべての色に色をそへてみれ

私のためにあなたが折った紅葉は、普通の美しさに、さらに一層の美しさが添えてあるように見えます。

 


メモ

維盛 平維盛。平重盛の嫡男。平清盛の孫。

薄様 薄手の雁皮紙。


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