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建礼門院右京大夫集 現代語訳
072 - 073 しめのうちは/しめのほかも
大炊御門斎院(おおいのみかどのさいいん)がいまだ斎院の御所にいらっしゃった頃、斎宮の御所に仕えている中将という女房のもとから御垣の内の花だといって、折ってお与えくださって、
しめのうちは身をもくだかず桜花をしむこゝろを神にまかせて
神社の境内では、桜花が散るのを惜しむ心を神に任せているので、桜花のことで心配することはありません。
返し、
しめのほかも花としいはん花はみな神にまかせて散らさずもがな
神社の外でも花という花はみな神にまかせて散らさないでいただきたいものです。
メモ
大炊御門斎院 後白河天皇の第3皇女、式子内親王。
どちらの歌も『風雅和歌集』雑上に所収。