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建礼門院右京大夫集 現代語訳
098 - 099 千代の秋/つれのなき
また、月の前の恋、月の前の祝ということを人が詠ませたので、
千代の秋すむべき空の月もなほこよひの影やためしなるらむ
千代に栄える御世で、秋空の月もやはり澄みわたることでしょうが、今宵の月がその例となるのでしょう。(「月の前の祝」の歌)
つれのなき人ぞ情(なさけ)もしらせけるぬれずは袖に月をみましや
つれない人が情趣を知らせてくれた。袖が涙で濡れなければ、袖に月を宿して見ることができたでしょうか。(「月の前の恋」の歌)
メモ