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建礼門院右京大夫集 現代語訳

048 すぎてゆく

雨の中の草花

すぎてゆく人はつらしな花すゝきまねく真袖(まそで)に雨はふりきて

ススキの穂が招いているのに、黙って過ぎてゆく人は情け知らずなことだ。招いているススキの穂の袖に雨が降ってきて、涙で濡れている。

 


メモ

 ススキの穂が風になびく様が、人を招いて袖を振っているように見えるので、袖に見立てていう。

『夫木抄』秋二に所収。


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